リブフレアーの危険性:反り腰・腰痛を招く「肋骨開き」のメカニズムと対策

腰痛や四十肩・五十肩、様々な肩や腰、股関節の痛みや怪我の原因になっているかも!?

リブフレアーとは?

リブフレアー(Rib Flare)とは、肋骨が前方に突出し

第7-10肋骨角が90度以上開いた状態を指します。

 

特に呼吸法やヨガのアーサナ実践者に多く見られる現代病の一つです。

セルフチェック方法

  • 仰向けに寝て膝を立てる
  • 肋骨の下端に手を当てる
  • 自然呼吸時に肋骨が前方に押し出される感覚があれば要注意

リブフレアーが起こる3大原因

  • 横隔膜の機能不全
  • 過度な胸式呼吸が横隔膜の収縮パターンを乱し、肋骨を上方に引き上げ続ける状態を生み出します。理想的な呼吸では横隔膜が5cm以上下降すると言われていますが、リブフレアーでは2-3cm程度しか動きません。
  • 腹斜筋の弱化
  • 外腹斜筋と内腹斜筋の筋力低下により、肋骨を下方に引き下げる力が不足。特に体幹トレーニングで「ドローイン」が正しく行えていない場合に顕著です。
  • 胸椎の可動性低下
  • デスクワークによる猫背姿勢が胸椎(特にT4-T6)の伸展可動域を制限。代償的に腰椎で過剰な伸展(反り腰)が起こります。

放置すると危険な5大デメリット

1. 慢性腰痛の悪化:腰椎の前弯が増加し、椎間板内圧が40。椎間関節へのストレスが蓄積します。

2. 呼吸効率の低下

横隔膜の可動域制限により1回換気量が30。代謝効率が悪化します。

3. 内臓下垂リスク

腹腔内圧(IAP)が低下し、胃腸や子宮の位置が下方に偏移。消化機能障害の原因に。

4. 肩甲骨の不安定性

前鋸筋の機能不全により「翼状肩甲」を併発。四十肩のリスクが2.3倍上昇。

5. 見た目の悪化

肋骨の突出により「ぽっこりお腹」が目立ち、ウエストラインが崩れる。

 

改善のための3ステップ

  • 横隔膜呼吸の再教育
  • 90-90 Breathing(膝を曲げた壁際姿勢)で、1日5分×3セットから開始。
  • 腹斜筋の活性化
  • Pallof PressやDead Bugエクササイズで、肋骨を下方に引き下げる筋力を養成。
  • 胸椎モビリティ向上
  • フォームローラーを使ったT-Spine Rotationドリルを実施。1回10往復×3セット。

専門家からのアドバイス

「リブフレアーは単なる姿勢問題ではなく、内臓機能にも影響を及ぼします。3ヶ月以上続く場合は、必ず理学療法士の評価を受けましょう」

  • 日本姿勢科学協会 田中理恵子 博士

 

まとめ

リブフレアーは現代人に蔓延する「静かなる姿勢崩壊」です。

早期発見と適切な介入で、呼吸機能と体幹安定性を取り戻しましょう。自分の肋骨の動きを常に観察することが重要です。